【完】甘い香りに誘われて 2 *極道若頭×姐さん修行中の♀
若頭が1人で歩くことがまず考えられない事は今ではわかる。
それでも響さんは半年間1人で電車に乗り、見送りと出迎えの為だけに由香里さんの家へと通ったわけだ。
「身辺が危ないやつのとこに娘は出せない。」
これが由香里さんのお父さんの言った言葉だ。
響さんは自分1人で動くことで、
「大丈夫です。」と知らせたかったんだと思う。
大きな出来事はなくとも本当は途中で何かあったかもしれない。
だけど響さんはそれを全く感じさせることがなかったんであろう。
それに由香里さんの家を知られたらそれはそれで大事になったかもしれない。
何もなかったのは、もしかすると先代が陰ながら後押ししていたのかもしれないが、
途中まで車で行ってということをせず電車で行く響さんは、やっぱり素晴らしい男だと思う。
「極道はそんなに暇なのか。」
帰宅をした由香里さんのお父さんが響さんに声を掛けると
「極道が忙しいなんて物騒じゃないですか?暇に感じてもらえる方が平和でいいんです。」
そんな会話の後で初めて家の中へ入れてもらえたそうだ。
この半年間の間に、由香里さんは響さんへの思いがどんどん大きくなったそうだ。
自分の為にここまでしてくれる人に心が動かないわけがない。
響さんという人への思いが一層強くなり、
結婚へと踏み切ったという事を聞いた。