なんで私が芸能人ッ!?






「せ……んぱい?」






「ああ……。それより香月稚菜と出掛けてたよな?」






「…………。」






「なんで、こんなとこにいる……?」






言いながら先輩が近づいてくる。
そして私の前に来たとき、涙に気づいたのかそっと手を触れた。






「……何があった?」







先輩の優しい低い声が聞こえた瞬間、涙が溢れた。







「………っ先輩、私無理です………!!
完全なりまでいることすらもできなくて……っ。
稚菜ちゃん……とかみたいにっ可愛くないし!!


わ………私なんかっっっ」






女優になれない。
そう言おうと思ったのに……言えなかった。





強引に抱き寄せられたから。






「………ぇ…。」






「なんかは禁止って言ったよな…?」






変わらず優しい口調の先輩。






「で、でも……っ。」






どうしようもなくて先輩の服に涙をこぼす。






「人と自分を比べてんじゃねーよ。
前の自分と今の自分を比べてみろ。
どうだ?なにが同じで、なにが変わった?」






「………前に、比べて………。」





……そうだ。
私、自分で言ってたのに。
少しは変われたって。






「前より……人が大丈夫になりました。
人と比べてるところも自信がないとこも変わらないけど……変わりたいって…………。」







あ………私、一番大事なことができてんじゃん。






「変わりたいって、思えるようになりました。」






私の言葉を聞いた先輩はふってなって、それからにって笑う。





「それで良いじゃねぇか。
俺がゆっくり変えてやるよ。」






私はその声に、心の中ではいって返事したんだ。
泣きながら微笑んで。





「……あり…がとう……ござい…ます。」






ぼそっと言うと、先輩が私から離れちゅって音をつけて私の鼻にキスをした。
なぜか何回もされてるけど、当然私は赤くなるわけで。






「せ、先輩!?」





「なんかって言った罰な。」






「~~~っ、先輩のバカ!!」






それで私は、もう二度となんかって言わないと心に決めたのだった。











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