なんで私が芸能人ッ!?






「りまちゃん冷たいー。ってか性格変わったよね?」





相馬先輩のその問いに、





「当たり前だろ?
俺が変えてやるって言ったんだから。」





って答えるのはもちろん藤堂先輩。
そしたら何故か





「お前そんなこと言ってたんだ?
ほんとわかりやすいのな。」





とかなんとか言ってる相馬先輩。





「うっせぇな。海斗は黙ってろ。」





相馬先輩は藤堂先輩の低い声に肩をすくめてる。
………私の事話されてるのに全く話についていけない私はなんなんだろう。





「でもりまは本当にどんどん変わってっちゃうよねぇ。
昔なんて私とすら喋ろうとすらしてくんなかったのに。」





私がいろいろ考えてるといきなり昔のことを持ち出した羅奈ちゃん。





「そういえば、羅奈ちゃんとりまちゃんって全然似てないよねぇ。
なんで親友になったの?」





話に乗っかる相馬先輩。





「なんでって……」





やっぱり、あれかなぁ………。





「一年生のときね、りまがおんなじクラスの女子に絡まれてたの。」





私が口ごもると話し出す羅奈ちゃん。





「ほんとは怖いし立ち去ろうって思ってたんだけどね、りまと目があったんだ。
そんときびっくりしたのなんの。泣きそうになるわけでも、助けを求めるでもない無感情のりまの目がすっごい気になっちゃって。
女の子たちに声かけてりまから離れてもらったんだ。」





気軽にその時のことを話す羅奈ちゃん。
その時はいろいろ絶頂期だったからなぁ……。
けど、それでも私を助けようとしてくれた羅奈ちゃんの足が震えてたことくらい気づいてたよ。





「それで、話してみたら意外と気が合うこともあるし……。
なにより、ぞっとするくらい冷たい瞳をどうにかしたいなぁって。
ま、こんなの自己満でしかないんだけどね。」





「でもね、今は大好きで一番の親友だよっ。りま!!」





そして羅奈ちゃんのその言葉に、どうしようもなく胸が一杯になる。
大好きって人から愛情をうけてる実感が込み上げてくるんだ。





「えっ!?もうりまぁ、泣かないでよ。」





気づくと私は泣いていたらしい。
なんか……最近よく泣くなぁ……。





「ごめっ……、嬉しくて……。
私に……わずかでも自分で感情を得るっていうことを取り戻させてくれたのは、羅奈ちゃんで……。
でも、だから………いっつもどこかで捨てられたら嫌だなぁって思ってた。」





そう言うとばって抱きついてきた羅奈ちゃんは、





「ばか、りま……。
こっちの台詞だよ。りまの本当の親友になれてるのかなって、ずっと思ってたんだから。」





「……ふぇっ……羅奈ちゃっ……。」





そう言ってなんとなく……抱き合って泣いちゃった。
そんな空気に完全置いてかれてる先輩たちはいずらそう。





「……おい、りま?
話割ってわりぃんだが、今日の放課後暇か?」





「あっ、すいません……。
えと、今日は叔母が家に来るので……。
何か用事が?」





「いや、別に急ぎじゃないから良いんだが。
………大丈夫か?」





たぶん家族関係の全てが私にとってプラスじゃないことがわかってるんだろう、藤堂先輩。
本当に……どんだけ優秀なマネージャーなんだろう。





「はい、母親がくるまえに叔母と会うんで大丈夫です。」





……………………





「……………別に、先輩が悲しそうな顔しなくても良いですよ?
私の事ですし。」






「別に、悲しそうな顔なんてしてねぇけどよ。」






そう言った先輩が、さっき一瞬顔を歪ませていたのを私は見逃さなかったんだ。
なんとなく、同情されたのかなって気分になる。






「そうですか。………じゃあ、用事の方はまた。」





「……ああ。じゃあな。」





藤堂先輩はそう言って、相馬先輩は羅奈ちゃんに別れを告げて帰っていった。
それから数分後、チャイムがなって私たちも教室へ行くこととなる。








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