なんで私が芸能人ッ!?
ピーンポーン…………。
「……………んぅ……。」
いつの間にか、眠っていたようだ。
ピーンポーン………。
あ……、チャイム鳴ってる。
誰だろ……先輩かな?
………………先輩!!!???
ちょちょ、ちょっと待ってっ。
今、何時!?
ガバッと起き上がって時計を見た先には………
5:00!?
どどどどうしよう!!
撮影って6時からで5時45分くらいにはついとかなきゃいけないのに…。
移動に30分くらいかかるとして、あと15分しかない!!
なんも用意してないよぉぉ。
とりあえず、謝んなきゃ!!
そう思い立って玄関に出る。
「先輩…ごめんなさい!!
えと、まだ用意できてなくて…。」
「………で?」
ううっ……。
先輩怒ってるよ…。
けど、そのおかげで平常心でいられる。
なんか…逆に良かったかもしれないな……。
「今すぐ用意してきますっ。」
そう言って走って家の中へ入ると、自分の部屋へダッシュ。
服は…、長い丈の白い無地の薄手のシャツに金属の大きいネックレス。
それにベージュのストールを巻いて、下は黒いジーパンに明るい赤のブーツ。
レザーリュックで大人コーデだ。
「お待たせしました!!」
洋服を決定した私は身だしなみを整えてから急いで先輩のところへ行った。
「……じゃ行くぞ。」
「はい!!」
先に車に向かう先輩についていく。
車に乗り込むとしばらく無言が続いていた。
その無言を破ったのは…
「おい。……なんかあったか。」
やっぱり先輩だ。
「はい!?いえ、なにも無いですが…。」
「昨日、叔母が来る日だったんだろ?
今日は学校にも来てなかったし。」
「あ………。」
そういえば言ってあったんだっけ。
でも……同情してるような先輩に話を聞いてもらいたくない。
「本当に、なにも無いんです。
だから、気にしないでください。」
そう言うと、きっと何かに気づいただろう先輩は、それでも深く追求して来なかった。
そして……悩みを抱えたまま、会場に入る。
あくまでも、芸能人のりまとして。