なんで私が芸能人ッ!?
「露天風呂だぁ……!!」
タオルを体に巻いてお風呂場に入った私達。
まあ、タオルもすぐ外さなきゃだけど。
「なにをしみじみ呟いてんの。」
アハハって笑いながら突っ込まれる。
でも……
「久しぶりなんだもん、家のやつも家族がいるから入れないし。」
「そっか。……………で、メガネは外さないわけ?」
「うぅっ………。だ、だって……。」
「だって何よ。」
「ま…まだ皆に見せられるようになってないというか、なんというか…。」
別に羅奈ちゃんのことが怖いわけじゃないんだけど……何かが怖いんだ。
「………あたしってそんなに信用無い…かな?
いや、りまが怖いのもわかるんだけど……。」
「そんなことないよ!!!」
そんなことないんだ。
ただ、私が根性無しなだけ。
羅奈ちゃんのことはちゃんと信用してる。
…………なら、迷うことないじゃん。
私はすっとメガネを外して、何も覆い隠すものがない目を、羅奈ちゃんとしっかり合わせた。
「りま………ごめん。」
「……なんで羅奈ちゃんが謝るの?
当たり前だよ、友達だもん。」
にこって笑ってそう答えた。
「だって、りま……泣いてる。」
「え…?ほんとだ……。
全然怖くないのに……なんでだろ?」
ガバッ…………!!!!
私が言った瞬間、羅奈ちゃんに抱きつかれた。
「ちょっ……羅奈ちゃん、ここお風呂場……!」
っていうかタオル巻いてるけど裸だよっ。
「りまのバカ!!怖いなら怖いってはっきり言っていいよ!!
…………いやごめん、違う。
あたしが、わかってたのに…。りまのことわかってるのに無理強いしたから……!!!」
「………泣いてんのは羅奈ちゃんじゃん。
怖くなんてない。……いや怖かったけど、そんなことより羅奈ちゃんの方が大事なんだ。」
「うっ……ぁ………りまぁっ!!!」
「羅奈ちゃん!?
だからここお風呂場だから泣かないで!?」
「ごめんねぇ、りまっ……。
ごめん……っ、ありがとうっ!!」
「羅奈ちゃん……。
もう、せっかく来たんだから体洗って、お風呂はいろ?」
「うん……!!!」
なんか……ちょっとすっきりしたな。
たぶん本当は、羅奈ちゃんでさえメガネがない姿で向かい合うのはかなり怖かったんだ。
けど初めて羅奈ちゃんのこんな姿を見れたし、勇気を出して良かったかもしれない。
……………こんな風に思えるようになったのも、先輩のおかげだったの、かな…?