なんで私が芸能人ッ!?
「あ、俺っすか?早瀬奏太です。
っていうか、矢城って藤堂先輩と知り合いなのか!?」
さすが皆に有名藤堂先輩。
っていうか奏太って言うんだ、早瀬くんの名前。
「はぁ………まあ…………。」
知り合いというかマネジメントしてもらってますけども。
「おい、そんなことよりコイツ借りて良いか?」
えっ!?
借りちゃうの!?
「良いですけど……。」
いや、良いのかよっ。
「その前に、矢城のメガネの秘密教えてもらえませんか?」
その言葉に、私の腕をつかんでた先輩の足がぴたって止まる。
「………コイツに秘密なんてねぇし、あったとしてもお前みたいな好奇心だけで聞いてくる軽い奴には言わねぇよ。」
先輩…………。
「………………」
こんな地味子のことを有名な先輩が庇うことが信じられなかったのだろう、早瀬くんは固まっていた。
まあ、当たり前だよね……。
私だって信じられないもん、先輩がこんな風にいってくれるなんて。
「ほら、行くぞりま。」
…………いや、でも……やっぱあんまり意外でも無いかもしれないな。
いつだって先輩は助けてくれるから。
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「で、俺が言いたいことわかるか?」
人気のない廊下へ来るなり先輩に聞かれた。
………助けてもらったのは有り難いけど、さっきよりピンチな気がするのは気のせい!?
「…………私情で仕事に支障を与えるなんてふざけるな。
理由も言わずに、いえ……言ったとしても仕事に私情を挟むなんてプロ失格だ。………ですか?」
「ちげぇよっ!!
……それもあるけどな、なんで俺に何も言わねぇんだ!?
同情ってなんだよ、俺はそんな風にりまを見てたことなんて無い!!」
「……仕事の事は、本当にごめんなさい。
でも、嘘はつかなくて良いですよ?
慣れてますから、そういうの。」
「嘘じゃねえって言ってんだろ!?」
「…………………。」
信じてみたい……けど信じたくない。
そう思うのはなんでかな?
「…………わかった。
俺を信じてくれなくても良い。
けど、俺はどうすれば良いんだ!?」
あ…………。
「どうすれば良いんだ!?
お前に信じてもらうにはっ………。
お前の助けになるためには!!」
私と、同じこと言ってる………。
お母さんに認めてもらうにはどうすれば良いの?って。
私は今どうすれば良いの?って…………。
「りま………?」
「えっ………?あ…………。」
なんでだろ、また泣いちゃってる………。
「なあ……、何があった?
俺を頼ってくれ………!!!!」
「先輩…………。」