なんで私が芸能人ッ!?
「こんにちはっ。」
そういってスタジオに入る。
なんか……今になって緊張してくるなぁ。
りまになってるのに。
「りま、俺は監督に挨拶してくるからお前は撮影準備してこい。」
「あっ、私も……。」
「今は撮影中だぞ?今挨拶行くより、用意してから行った方が良いだろ。」
「は…はい……。」
「………なに、お前緊張してんの?」
聞かれた瞬間、さっきまでうつむいてた顔をバッと顔をあげる。
「図星かよ。芸能人のりまも入ってないだろ。」
「……………………。」
りま、完全には入ってなかったんだ……。
どうしよう、結構重大だよ……。
「りま、顔をあげろ。」
そう言われて、だんだん下がっていた頭をもう一回あげる。
「前回の撮影は気にすんな。
気になるなら後でちゃんとケリをつければ問題ない。
だから……りまはただ、自信を持ってやれば良い。」
優しい目をした先輩の口は、やっぱりにって笑ってて。
私にいつもみたいに安心感と……胸がトクンってなる感覚が訪れる。
「ほら、行け。」
さすが先輩。
もう私の気持ちの変化に気づいてる。
「はいっ。」
言われた通り、メイクをしてくれるスタッフさんがいる化粧室へ走ろうとする。
でも……
「あっ、先輩!!!」
その前に先輩の方へ向き直って呼びかけた。
先輩がなんだ?って顔で振り向く。
「ありがとうございます、先輩♪」
いろんな感謝をこめて、今できる一番の笑顔で先輩にお礼を言う。
「あーっ!!!お前……わざとやってんのか?」
「は………?」
「もう良いよバカ。」
少し顔が赤い先輩。
「え……え?」
なんで……っていうか熱?
「さっさと行けって意味。」
「はーい………。」
こっちに歩いてきた先輩に押され、渋々歩き出す。
けど途中まで歩いたとき……
「りま!!」
私を化粧室へ行かせようとしてた先輩の声が聞こえて振り向くと。
「頑張れよ。」
そう、まだ微妙に赤い顔の先輩で言ってくれる先輩がいたんだ。
おかげでさっきまでと裏腹に、堪えきれない笑顔を顔に浮かべた状態で化粧室に入れましたとさ。