なんで私が芸能人ッ!?
「未夢、入りまーす!!」
そういうと、はーいとかその他もろもろ返事が聞こえる。
そしてまずは、監督に挨拶とお詫びだ。
「………監督!!!」
「なんだ?」
「先日は私のせいで撮影にすごく迷惑をかけてしまって、本当に申し訳ありませんでした!!」
すごい勢いで頭を下げて言う。
いくら謝っても足りないくらい迷惑かけたと思う。
「……本当は、ここで怒るべきなんだが………。
何か事情があったんだろうし、初ドラマだし大目に見るよ。」
でも、監督はそう言ってくれたんだ。
「あ……ありがとうございます!!」
「おお、じゃあ未夢入れて撮影開始するぞー。
りま、今日は前の続きだから頑張れよ。」
「はいっ!!」
つまり……今日はまた宮崎さんとの絡みがあるシーンってこと。
監督の掛け声で一斉に用意を始めた皆に合わせて、私は教室のセットがされたスタジオの未夢の席の前に立つ。
そして……
「皆さん!!!!
先日はご迷惑をかけて本当に申し訳ありませんでしたっ。
今日は絶対に足を引っ張るような真似はしないので、どうかよろしくお願いします!!」
そう言って、出演者の皆さんを始めスタッフの方々に向けて頭を下げた。
「………………。」
すると、やっぱり無言なスタジオ。
でも…やっぱりそうだよね。
すごく迷惑、かけたんだもん。
私なんかが…………。
「りーまっ、大丈夫だよ♪
今日からまたがんばろー?」
えっ………?
誰かが私に声をかけてくれて顔をあげてみると、そこには……
「稚菜ちゃん……。」
にっこり笑ってくれてる稚菜ちゃんがいたんだ。
「そうだよ、矢城さん。
頑張れば追いつくって。」
横山日菜役の溝口さんも声をかけてくれた。
溝口さんに続いて、次々に皆が声をかけてくれた。
………もちろん宮崎さんを除いて、だけど。
でも本当は宮崎さんの反応が普通なんだよね。
そんな宮崎さんはじっと私の目を見てたけど。
「皆さん……本当に、ありがとうございます!!!
精一杯未夢を演じますっ。」
「よーし、始めるぞ!!
よーいっ、」
カーンっ。
カチンコの音が鳴った瞬間、私はまたりまから未夢に入れ替わった。
宮崎さんにも認められるようにって思いながら。