ラブソングは舞台の上で

衣装の早替えもこれで最後だ。

上手の舞台袖でジッパーを下げてもらい、ピンクのドレスを脱ぎ捨てる。

手袋を着けてブーケを持ち、稽古通り、音楽に合わせてステージへ出た。

しかし、様子がおかしい。

結婚式のシーンは女王やメイド、国王やバトラーなどの参列者がたくさんいるはずなのに、今、ステージにはマーティンしかいなかった。

出るタイミングが早すぎたのだろうか。

もしかして私、失敗した?

いや、だったら舞台は暗転しているはず。

照明はしっかりマーティンにスポットライトを当てている。

一体どうなっているのか。

観客の目は、私たちに注がれている。

「アンジェラ、台本と違うから驚いたようだね」

何そのセリフ。

アドリブ?

「マーティン、一体これはどういうこと? 参列者のみんなは死刑にされちゃったのかしら」

そう返すと、客席がどっと湧く。

何これ、どういうこと?

お客さんたち、笑ってる。

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