甘く響く
そのあと
応接間に通されて
ゼルの淹れてくれたコーヒーを飲んだ


「実は、リンリンが咲いたといってもまだほんの一部なんです。20%程度ですかね。」

今日のお菓子はカップケーキだった
上に乗ったクリームを見て
リーゼのことを思い出したがすぐに消した

「私、何もしてません。散歩していただけです。」

「ええ。自分も見ていました。あの綺麗な足に何か秘密でもお持ちですか?」

冗談ぽく言うゼル
レイは綺麗な足、と言われまた洗ってもらった時のことを思い出してしまった


その時、入り口のドアからノック音がした

ゼルが小さく返事をして
ドアがゆっくりと開く

「失礼します。アル様からお話があります。」

丁寧に頭を下げて
男性が一歩引くと

アルが花束を持って入ってきた


「あなたは妖精だ!」

入ってくるなり両手を広げて叫ばれて
レイは口に含んだコーヒーを吹き出しそうになった

「今日はぜひ!うちで夕飯を食べて行ってくれ!悪いとは思ったけどレイさんのお母さんも呼んだからね」

そう言いながら花束をわたしてくる
どうやらこの花束はレイの店で買ったようだ

「あの…えっと…?」

困惑するレイの肩にぽん、と手を乗せ
アルは泣いたマネをしてみせた

「聞いたよ。お父様は若い頃に他界して、あの花屋をお母様と二人切り盛りしてきたんだろう?」

「え…えぇ…でも…」

「ジーンさんはとても素敵なお母様だ!食事に誘ったら快く受け入れてくれたよ」

なにがあったのかわからないけど
アル様が母を気に入ったようだった
レイはばれないように小さくため息をついた
< 16 / 21 >

この作品をシェア

pagetop