甘く響く
「早速で申し訳ないが、ゼル、レイさんを栽培場へ案内してくれ」

ゼルは軽く頭を下げて短く返事をした

レイはゆっくりとした動作で立ち上がり、ゼルにの後を追うように部屋を出ようとした


「あ、レイさん」

アルに呼び止められ、レイは振り向く

「屋敷内に不躾なオオカミが3匹いるので…もし何かあったときはすぐに言ってください」

レイは理解できずに首を傾げた
アルはどこか楽しそうに笑っていた



ゼルに促されて
レイは廊下を歩いて行く

「アル様が言っていたのはアル様のご子息のことです。オオカミとは言い過ぎですが、少々くせが強いところがあって…」


「ひどい言いいようだなー…」

ゼルの言葉に反応するようにレイの背後から声がした
驚いて振り向くと
目に映ったその姿にもっと驚かされる

それは絵に描いたような綺麗な男性だった
切れ長の目に通った鼻筋
短めの髪はとても柔らかそうに窓から入る風に揺れていた

ーリンリンッ

どこからかあの、甲高い音がした気がした
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