あなたがいなければ。【短編小説】
「あ゛ぁぁ。学校だぁぁぁ。い゛ぎだぐな゛い゛。」
里「ほら。ぐずぐず言ってないで、早く行くわよ。遅れたら嫌よ。」
「うーん。分かった。」
は?
夏休みはどうしたのって?
そんなの過ぎました。昨日で…
だから私のタイムリミットまで後わずか。
今日は9月1日だから後1ヶ月。
え?
晃君とはどうなったって?
晃君とは付き合ってます。
私は汚い…。
晃君は汚くないって言ってくれたけど、そこは本当の事だから譲れない。
「あー晃君に会いたいなぁ。」
「ノロケが始まったわ。」
「別に良いじゃん!里奈だって彼氏いるじゃん!」
そう。
年上の人。
あの里奈が一目惚れしたんだって!
びっくりだよね。
「私はノロケてはいないわ。」
「ノロケてないなら、ノロケてみてよ!」
「そんな事しないわ。私を誰だと思ってるの?」
「はい。ごめんなさい。完全無敵の里奈様です。」
「分かればよろしい。」
里奈様は怒ると、怖い。
あ゛ぁぁぁぁぁぁ。
「こーうー!」
「なに?」
「うわぁぁぁ!びっびっくりしたぁぁ!心臓とび出すところだった!」
「うるさいわ。慧里奈。」
「ごめんなさい。」
「慧里奈。」
「はっはい!」
「緊張すんなって。いくら夏祭りでキ―――」
チーン
「いてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
「可哀想ね。」
「黙ってよ!しゃべったら絶交だから!」
「だからって…。いってぇ。」
何を言おうとしたかは分かるでしょ?
…まさか分からない人いる?
分からない人のために…
私たちは夏祭りに……
キスをしました。
それも甘いやつ。
あの時は…。
『ヤバい!もう10時じゃん!』
10時半に待ち合わせなのに、起きたのはこの通り。
『髪ボサボサ!やだぁ。化粧もしたかったのに!』
はぁ
そんなことより、昨日のうちに着る服を決めておいて良かった!
サッサと着替えよう!
タタタタタタ
『お義母さん行って来まーす!』
定期的に家に来てくれるならお義母さんに向かって言う。
『どこに?』
『デート!』
『えっ!?誰と!?』
『晃君!』
『誰!?』
『とにかく、行って来まーす!』
お義母さんを無視をして、待ち合わせの駅へ向かう。
『ごめん!待った?』
『あぁ。そんなに待ってない…』
『ごめんね?』
『ん…』
『どうかした?』
『別に…』
少し晃君の様子がおかしかった。