ぽんぽんぼん
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いつもよりも賑わう町並みは、この日ならではだと思う。
ズラッと並んだ出店がこの町並みを更に活気づけている。
メインは夜の花火だというのに、昼の今でも人でごったがえしている道。
「うわー、今年も凄いね!秋祭り!」
隣にいる梶木君に向かってそう声を掛けると、グッと彼が眉間に皺を寄せる。
「本当にね。昔より増えてる」
「あー、増えたかも…だね」
梶木君は、梶木君のおばあちゃんが亡くなってから、お祭りというものに一回も行っていない。
今日がその最初の第一歩な訳だ。
彼の踏み出した一歩は、私なんかが分からない程の重い一歩で。
それでも、止まっていた時間を動かそうと前に進む事を決めた彼の目は、キラキラと輝いていて凄く、凄く格好いい。
これから彼が進む道が希望に溢れていますように。
そう願ってしまう。
ふと視線を落とすと彼の手にしっかりと繋がれた私の手が見える。
……あっ、違うか。
私が彼を幸せにするんだ!
「ねえ、梶木君」
「何?」
「これから先は私が梶木君を幸せにするよ!」
梶木君に向かってニカッと笑って歯を見せれば、馬鹿にしたようにフッと鼻で笑われる。
「何それ。そんな事を森山さんに言われるとか心外なんだけど」
「な、何で!?」
心外って!結構本気で言ったんですが。