彼は、魔法使い
「何って、周りが望むあたしに戻っただけ」


そう言い、あたしは視線を來都から逸らす。


「お前は、スタイリストに戻りたかったんじゃないのかよ!!」


ドアが開いてるように、來都は大きい声で言う。


「戻るも何も、あたしは始めからスタイリストじゃなかったと思う」


専門学校を卒業して、始めの1ヶ月で才能を買われた。


それから、あたしは、、、


お店に立つことは、、、なかった。


たった、1ヶ月。


それで、この業界で生きるあたしのレールは決まった。


お店に立って、スタイリストとして普通のお客さんを相手に出来ない。


日本に居たら、少しは違って居たのかもしれないけど、、、


パリに行くと決めたのは、あたし。

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