彼は、魔法使い
今の、あたしの本能は?


、、、触れたい。


直樹さんに、触れたい。


そう思ったら、ベランダにある各部屋の区切りとして置かれている壁が、凄く邪魔に感じた。


「、、、直樹さんのところに、行ってもいいですか?」

「どーぞ」


その言葉を聞き、あたしは覚束ない足で直樹さんの部屋へと向う。


直樹さんの部屋のドアを開けようとしたら、先に開けられる。


「お前。その缶ビール、置いて来いよ」


あたしは未だに手にして缶ビールを見て、苦笑いをする。


そんなあたしを見て、フッと直樹さんも笑みを溢す。


そして直樹さんは、グイッとあたしの顎を持ち上げた。


「で、今度は何の責任を、俺は取れば良いわけ?」


意地悪な顔をしながら、あたしに尋ねてくる。

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