彼は、魔法使い
あたしは、ハッとして、、、


会場へと、走り出した。


後片付けをしてる会場の中に、1人で客席に座ったまま、ステージを眺めている人。


あたしはその人の下に、歩みを進める。


「、、、お父さん」


あたしの言葉に、その人は、、、


お父さんは、ゆっくり振り向く。


「芹香」

「来て、たんだ」

「鳴海に誘われてな。でも、、、鳴海には、感謝しないとな」


ハッハッと笑う、お父さんが昔よりも少しだけ小さく見えた。


「おめでとう、芹香」


その言葉は、他の誰に言われるより嬉しかった。


「お父さん。ずっと、後悔してたんだ。子供のお前に、ハサミを握らせたこと」


それは初めて聞く、お父さんの本音なのかもしれない。

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