彼は、魔法使い
「髪型が変われば、気分が変わるって言いますもんね」


瑞穂さんの話に聞き入ってる、志麻さんが言う。


それは、あたしも聞いたことがあるような気がする。


「そうそう。どんなに可愛い子でも、髪型が1つで可愛さが半減するし」

「いるいる、そういう子」

「そんな子に本当の可愛さを教えてあげられるのは、スタイリストだけでしょ?」


そんなことを思って、瑞穂さんはスタイリストとして、お店に立っているんだ。


あたしは何を思って、お客さんを相手にしたんだろう。


「なんか、瑞穂さん。凄いですね」

「凄い?あたしは、まだまだだよ。直樹さんや省吾には、及ばない」


あたしが言ってるのは、技術とかそんなことじゃない。


スタイリストとしての、本質的なことだ。

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