あなたが作るおいしいごはん【完】
久しぶりに与えられたキスは
いつものように
決して深いキスではないけれど
優しくて温かい唇の感触が
握ってくれている手の温もりが
夢じゃないと実感させてくれる。
まるで
王子様がお姫様に与えるようなキス。
彼と私はどのぐらい
そうしていたかわからないけれど
次第にゆっくりと目を閉じて
彼のキスを受け入れた。
やがて…唇が離れ
彼はいつものように
『…可愛い。』
と、優しく微笑みかけると
もう痛くはないけれど
左の頬にも
『…ここ痛かったな。』
と、呟きながら優しく唇を落とした。
…ドクン…ドクン。
私の胸が高鳴った。
すると
彼は私の左手を再びさすりながら
『…こんな場所でキスするのも
こんな事を言うのもなんだけど
………俺は萌絵が好きだ。
本当はずっと前から好きだった。』
と、突然彼の口から
愛を含んだ言葉が飛び出した。
「………!!」
驚く私に彼は言葉を続けた。