あなたが作るおいしいごはん【完】

『…政略結婚の事は
聞かされるまで本当に知らなかったけど
萌絵と結婚出来るって聞かされた時
本当は凄く嬉しかったのに
お見合いや結納の席で

“嫌いじゃないけど…。”とか
“食材には
色んな食べ方があるように…。”
などと言ってしまった。

今まで壁を作ってしまうような言い方や
時には冷たい態度や曖昧な態度を取って
不安を与えた事や
素直になれなかった事…反省してる。
本当にごめんな…。』

そう言って謝罪の言葉まで…。

「…えっ!?…あの…。」

私は思いがけない言葉の数々に

戸惑いが走った。


「…それって。」

彼は本当に私が好きだって事?

ドクン…と再び胸が高鳴る。


…でも…どうしてかな。

本当は凄く嬉しいのに

私は……素直に喜べなかった。

やっぱり卑屈になってしまうのは

だって彼は……と思ってしまうから。


私は彼に視線を向けると

「…カズさん…あのね。
怒らないで聞いてくれる?」

と、今まで言えずに

勝手に自分で

複雑な想いと嫉妬を抱いて

卑屈にもなっていた原因を

生み出していたある疑問を

彼に投げかけた。
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