あなたが作るおいしいごはん【完】
***その後
様子を見に来た看護師さんに
点滴を外された私は
彼に支えられながら
ゆっくりと起き上がった。
私が眠っている間に
田宮さん経由で連絡を聞いた
レナ店長が私の為に
代わりに買って用意してくれたと言う
代わりの下着と可愛いパジャマに
袖を通す際にチラリと肩を見た。
やっぱり鬱血した痕が残っていて
私は薮嶋恭平に
よほど強く掴まれたのだと
改めて思い知らされた。
でも、点滴のおかげか
掴まれた肩やぶつけられた痛みは
もう感じなかった。
着替えたのを見計らって
病室に戻ってきた彼は
『…ほら、俺に凭れかかって。』
と、言ってベッドの端に座ると
背中から凭れかかるように私を促した。
「……いいの?」
ドキドキしながら聞き返すと
『…ほら、早く。』
と、さらに促され
ゆっくりと凭れかけていくと
背中がピッタリと彼の胸板にくっついた。
彼とこんな風に
寄り添う態勢になったのは初めてで
背中越し、パジャマ越しに伝わる
彼の温もりとコロンの香りと
華奢に見えて逞しい体格が
私の胸を熱く高鳴らせた。