あなたが作るおいしいごはん【完】
『…そのパジャマ姿可愛い。』
頭上から話しかけられて見上げると
私の髪に触れながら
優しく微笑む彼の瞳が合って
私の胸はさらにドクンと高鳴った。
暫くの間、私と彼は
何も語らず寄り添ったままでいた。
頭を撫でてくれる彼の手は
やっぱり優しくて
食材を扱うように繊細に感じる。
彼と想いが通じ合った事を
ジワジワと実感し始めて
温かくて優しい居心地に
何だかウトウトしそうになる。
と、その時
『…萌絵。
さっき親父から電話があったんだ。』
沈黙を破るように
突然彼がそう言い出した。
私は顔を見上げると
さっきとは違う面持ちで
彼は私を見下ろしていた。
『…聞きたくないかもしれないけど
親父の話では
さっき靖雄さんと薮嶋恭平の父親が
あの男と母親の寛子を
靖雄さんのお店の常連客の知り合いで
心療内科のスペシャリストが
いるとか言う隣県にある病院へ
強制入院させたそうだ。』
と、ゆっくり話し始めた。