あなたが作るおいしいごはん【完】
洗い場に手をついた私の目から
涙がポタリポタリと流れ落ちる。
こんなになってしまったのは
やっぱり自業自得だと思う。
最初から間違っていた。
いくら懐かしいからと言って
幼馴染みから強引に誘われても
婚約している身なのだから
ちゃんと断るべきだった。
又は、彼に連絡するべきだった。
これがそもそもの原因なんだ…。
なのに彼は
こんな私を心配してくれて
父に相談してくれたから
父が興信所に依頼してくれた。
もし、私の事が好きでもなくて
見て見ぬ振りされていたら
今頃私はどうなっていたかわからない。
危ない目に遭うところだったんだ。
あの程度で済んだのも
彼のおかげでもあるし
皆が彼に協力してくれたから。
でも、結局辿り着くのは
私が当たり前の事をせずに
周囲に…彼に迷惑をかけたから。
だからこんな鬱血に
今さら震えてるなんておかしい。
フラッシュバックしてるなんて
おかしいはずなのに…。
泣く資格なんてないはずなのに…。
すると、突然ドアが開き
『…萌絵!?
どうしたんだ!?
どうして…泣いてるの!?』
と、後ろから驚きと心配の声がした。