あなたが作るおいしいごはん【完】
「……ごめん…なさい。
和亮さん…私の所為で…。」
彼にしがみつくように顔を埋めて
涙を流しながら謝罪を呟く私に
『……萌絵…もういいから
そんなに泣かないで。』
と、困惑したように
私を見下ろす彼は
『…ヨシヨシ。
嫌な事を思い出してしまったんだね。』
そう私の気持ちを察したように呟いて
ふと私の髪に触れると
『…萌絵。
折角温まったんだから
その格好では風邪をひくよ。
とりあえず髪を乾かして落ち着こう。』
そう言って彼はもう一度
肩にかかっていたタオルで
私の髪を簡単に拭くと
腕を伸ばして
近くにあったバスローブを手に取って
私の肩に羽織らせてくれた。
そして
タオルで私の涙を軽く拭くと
『…おいで…萌絵。
リビングに行こう。
俺が髪を乾かしてあげるよ。
《ジャスミン茶》も
もう一度入れてあげるよ。』
そう言って柔らかく微笑むと
肩を避けて私の腰にそっと腕を回して
リビングへと誘導してくれた。