あなたが作るおいしいごはん【完】
やがて、唇が離れると
私は力が抜けたように
彼の胸に凭れ込んだ。
初めて経験したんじゃないかと思う
あまりにも激しくて濃厚なキスに
「……はぁっ……はぁっ。」
私は軽く息があがり
彼のシャツを相変わらず掴んだまま
肩を上下させた。
『…ごめん。
萌絵…可愛いから…加減出来なくて
…つい、度を越してしまった。』
そう言って謝る彼の顔も
ほんのり紅くなって息もあがっていた。
お互いの息が整いかけてきた頃
『…萌絵。』
呟くように名前を呼んだ彼は
私に視線を向けてゆっくり口を開いた。
『…異性の幼馴染みがいる事は
別に珍しい事じゃないし
萌絵は幼少期に自ら希望して
薮嶋恭平と幼馴染みになった
ワケじゃないんだろ?』
その質問に私は頷くと
『…そう、それが普通だと思う。
今さらその過去も事実も
否定する事は出来ないし
何らかのキッカケで
再会してしまう事だって
別に珍しい事ではないと思う。
特に萌絵は
薮嶋恭平がこの街に戻ってきた事すら
知らなかったんだから
別にこの事に関して
俺は嫉妬はしていない…。
ただ…。』
そう言って彼は言葉を続けた。