あなたが作るおいしいごはん【完】
「……えっ!?」
彼が口にした意外な言葉に
私は思わず驚いた。
彼も自分の言葉に
恥ずかしくなっていったのか
顔が段々と紅くなっていく。
『…あの男に萌絵を奪われるくらいなら
約束を破る事になっても
神や仏に背いてでも、無理やりにでも
萌絵を食べてしまいたいくらい
俺を愛して欲しくて
俺だけを見て欲しかった。』
「……。」
『…政略婚約しておきながら
萌絵に嫌われるのが怖くて
いつか靖雄さんに萌絵が
再び俺との婚約解消を
訴える事があったら…と思うと
……これ以上嫌われたくなくて
理性を保つのにひっしだった。』
「……。」
『…だから
萌絵が俺の名前を呼んでくれた時
愛されてるとわかって嬉しかった。
でも、破られたブラウスを見た時
あと一歩遅かったら
どうなっていたかと思うと
どうしてもっと早く
駆けつけられなかったのか…とか
あの時は本当に
……胸が掻き毟られる想いだった。
…ごめん…俺の方こそ
大人ぶった最低な男で…ごめ…。』
…『ごめん。』と彼が言う前に
心の中で何かが弾けたような
そんな気がした私は
「…和亮さん。」
と、手を伸ばして
彼の後頭部を引き寄せると
今度は私から噛み付くように
彼の唇を強く塞いでキスをした。