愛すと殺すと


「チョコ?」


意外にも反応が帰ってきて、痛みがさーっと引いた。

変わりにポカポカと熱を帯びていく首裏。


「そう!チョコ!」


どうしても声が大きくなってしまった。




『いいか、美澤。

千晶にチョコ作りを教えるんだ』




『はあ?』


思わず耳を疑った。

『何それ?敵に塩じゃなくてレシピ贈れって?バカ?』

『うまいことゆーなー!山田くん座蒲団一枚っ』

そう言って組んだ長い足を私に向ける。

その一言で今まで肩を揉んでいた黒庵さんが飛び出してきて、ソファにあったクッションを私にくれた。


『ガキィ…朱祢たんに褒められたことがどんだけ栄誉かわかってんだろうなぁ?』


『うっさい』

ツーン、とそっぽをむいてクッションを受けとる。


黒庵さんは、先生恋しさにちょくちょく学校へ来る。

それは朝の何分間だったり、昼休みだったり。

一階である保健室の窓をコンコンと叩いて、「よぉ」と入ってくる。

保健室+夫婦でエロいのを想像するのは私だけじゃないはずだ。


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