愛すと殺すと

『そして、洋楽を流す』

『洋楽?』



彼女の意識を無くし、そこで布留くんにつけこむ。


先生の、最低でお節介な作戦だった。


「千晶は料理がダメでさ、全く作らないんだよね、

あとそんな行事知らないと思うし」


「知らない、の?」

まさかそれはないだろうと思ってたけど。

ちょうどいい機会だ。


「じゃ、じゃあ!

私、チョコの作り方――彼女さんに教えにいってあげるよ!」


作戦を果たすため。


「は?」


きょとんとした彼と鐘が被る。


「じ、じゃあね?」

なかば、逃げるように去る。


HRが終わると、いつも通りに彼女が陽紀くんに会いに来ていた。


「陽!愛してるよ!」

人目も憚らずそう言う彼女に、チクリと胸が痛む。

「…あぁ」

たぶんうわべだけの言葉を言い、はぐらかすような陽紀くん。

私なら、そんな顔させないのに。
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