愛すと殺すと


「……」

愛すと殺すと。

この人たちには、紙一重なのだ。



愛すは、殺す。

すなわち縛り、壊し、守ることこそ愛すこと。



理解と同時に、彼女の壊れる音楽が鳴り響く。

時間ぴったり。さすがは先生。



「いや゙ぁああああああっ!」



髪を振り乱し、まさに狂ったように叫びまくる。

座り込んで、目から涙を溢し、頭をかきむしる。


「たすっ…たすけ、いやだっ!

死にたくないっ」


「じゃあ、」

つい、冷酷にも言葉が落ちてしまった。


「――陽紀くんは?」


死にたくないなんて。

身勝手なこと言わないで。


陽紀くんが死んで悲しむ人がたくさんいるんだから。


イライラする。

「…ねぇ、聞いてる?」

彼女は頭を抱えて震えるだけで、聞いてないみたいだった。



浮かんだのは“拒絶”の文字。



耳を塞いで、体を小さくして、世界を拒んでる。

そんな感じ。


「……」


人間を受け入れられない私に、なんか似てる。
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