愛すと殺すと
「…ごめんなさいっ」
なんか、声が震えてた。
臨場感を出すにはもってこいだけど。
なれない体はやっぱり拒絶しちゃうんだなあ、なんて。
だから、口から出任せに自分を作った。
悲劇のヒロインの、私を。
「私、何でもする!
罪を償うために、なんでも――」
そうして放ったこの言葉。
陽紀くんの顔が変わったのだ。
そして、
「美澤、どけ」
「でもっ」
私はとうとう拒絶されてしまった。
やっぱり、私はだめだったみたい。
次の瞬間には、もう先生に話しかけていた。
「なんで呼ばないの?
なんで保健室なの?
なんで救急車呼ばないの?」
バレちゃったなあ。
悲劇のヒロインじゃないか。
私はただの悪役だ。
かちり、と思考が変わる。
汚い私を見せたくなった。
そうだ、悪役なら――見せなくちゃ。
バトルは大詰め。
悪役なら自分の魂胆を語るものでしょう?
「先生、俺さ「布留くん」
声を被らせ、悪役の私になる。
陽紀くんに受け入れてほしいから。
どんな私でも、受け入れてさえくれれば。
私は綺麗になれる。