色の雫 - The seven colors -
「アッシュ!?そ、そんな……」

また自分は知り合った仲間を、友達を救えなかった。自分を守るために自らを犠牲に。
ヴォルトの頭の中には先の山道で息絶えた老人の姿が浮かぶ。あの老人も自分をこの場所へと連れて来たがために、死んだ。そして、今もとても大切な仲間を失った。自分は……自分は……自分は……

「……何やってんだ!!早くヤツにダメージを与えてやれよ!!」

「……え!?」

ヴォルトは顔を上げてその光景を見た。アッシュがハンマーを構えて立っている。アッシュは拳が当たる寸前、ハンマーを盾にして、攻撃を受け止め、そのまま後ろへと飛び後ずさる。そんなアッシュも無事ではないことも確かだ。額から血を流している。どうやら地面に叩き付けられたときの衝撃でけがを負ったらしい。アッシュはヴォルトに、フッ、とはにかむ。

「ヴォルト……俺を勝手に殺すなって」

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