色の雫 - The seven colors -
冷や汗なのか、ただの汗なのかわからない汗がヴォルト達の頬をつたう。だが、

「ヴォルト……冷や汗が出るってことは、まだ汗腺は死んでいないよな?」

とアッシュはヴォルトに笑いながら言う。ヴォルトはそれに無言で頷く。
まったくこんなときにまで……
そう思いつつも、アッシュのこの言葉はヴォルトを不思議と落ち着かせたのであった。冷静になって考える。
怒っているフレイモンドはさっきより動きが機敏になっている。次も、普通に真っ正面から攻撃することはもちろんのこと、先の尻尾みたいに側面や背後に回り込み攻撃を加えようとすることも不可能なず。だから……

「アッシュ!!」

「なんだ!?」

「アッシュにかかったヒルムガードをやつにもかけられる!?」

「……は?」

アッシュは唖然とした。自分はこの魔法をジェントにかけてもらったのだ。自分でかけたわけじゃない。

「アッシュ、君なら出来る。赤の勇者の君にならできるはず!!」

確かにジェントからは、赤の勇者は火に関する魔法には強い耐性と適応力があるとは教わっていた。だが、自分が操れる?そんなこと、できるはずが……

「…………」

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