ストレイ・キャット☆シュ-ティング・スタ-
マンション前の大通りにTAXIを停めてもらい、表に出ると寒さに肩をすくめる。
ぼくが不意に空を見上げてみると、大きな空は、うす紫色に彩られていて思わず目を奪われた。
マンションのエントランスにある宅配BOXの荷物を手に、エレベーターに乗り込む。久留美との別れが近づいてくる。
「なんだろう、この荷物」
ぼくはその小包を胸に抱いて、部屋に続く廊下を歩く。届いた小包の宛名を確認していると、久留美のことを考えるひまもないままに部屋に着いてしまった。突然届いた便り。
荷物の送り主は、実家の母からであった。
「なんだろう」
ぼくは、母から届いた荷物をほどいてみる。中にはインスタント食品やお菓子なんかが詰め込まれていて、現在、ひとり身のぼくへの差し入れだった。
「母さん、気遣ってくれて……」
ぼくはそのとき、子供の頃、母から良く聞かされていたことばを思い出した。それは本当に幼い頃、母がぼくに良くいっていた教えだ。
「省吾、人に迷惑をかけたら駄目だよ。相手の気持ちをいちばんに考えて人と接しなさい。世界中の人間が、自分のことよりも、そのひとのことを最初に考えて行動すれば、世界はきっと平和になるんだよ。」
思えばこの数日間、ぼくは自分の欲求のはけ口を求めて、珠希が居るにも拘わらず、サイトに顔を出して久留美という子猫に恋をした。
珠希はぼくの妻。
久留美には、他の相手がいる……。
やっぱり今夜、久留美にサヨナラしよう。
ぼくが不意に空を見上げてみると、大きな空は、うす紫色に彩られていて思わず目を奪われた。
マンションのエントランスにある宅配BOXの荷物を手に、エレベーターに乗り込む。久留美との別れが近づいてくる。
「なんだろう、この荷物」
ぼくはその小包を胸に抱いて、部屋に続く廊下を歩く。届いた小包の宛名を確認していると、久留美のことを考えるひまもないままに部屋に着いてしまった。突然届いた便り。
荷物の送り主は、実家の母からであった。
「なんだろう」
ぼくは、母から届いた荷物をほどいてみる。中にはインスタント食品やお菓子なんかが詰め込まれていて、現在、ひとり身のぼくへの差し入れだった。
「母さん、気遣ってくれて……」
ぼくはそのとき、子供の頃、母から良く聞かされていたことばを思い出した。それは本当に幼い頃、母がぼくに良くいっていた教えだ。
「省吾、人に迷惑をかけたら駄目だよ。相手の気持ちをいちばんに考えて人と接しなさい。世界中の人間が、自分のことよりも、そのひとのことを最初に考えて行動すれば、世界はきっと平和になるんだよ。」
思えばこの数日間、ぼくは自分の欲求のはけ口を求めて、珠希が居るにも拘わらず、サイトに顔を出して久留美という子猫に恋をした。
珠希はぼくの妻。
久留美には、他の相手がいる……。
やっぱり今夜、久留美にサヨナラしよう。