変わりゆく華たち 第一幕 散ル華
最悪だな。
まあ、捕まる前に気付いて良かった。
というかなんであんなに早く来るんだ?騒ぎをおこしてまだそんなに時間は経ってないはずだ。
となると、どこかの物陰とかで見てたのか?
たちの悪い奴らめ。
壬生浪士組というのは如月の月頃京都に入ってきた浪士集団。
そして、弥生の月に松平容保(まつだいらかたもり)公が藩主を務める会津藩お預かりになり、『壬生浪士組』と名乗るようになったらしい。
この話は[甘味所 花]の店主である巧さんから聞いたものだから、正しいかどうかは知らない。
さて、そんな集団に捕まると後がめんどくさいからさっさと逃げる--
「…っ!」
急に腕を掴まてた。
まさか…
「ちょーっと、待ってください!」
あーあ、なんでこう捕まるのかな。
「少し…お話聞かせてもらってもいいですよね?」
壬生浪士組に。