変わりゆく華たち 第一幕 散ル華
「ハァーアッ!!」
沖田は走りだして間もなく、刀を振り上げ、俺の左肩めがけて振り下ろす。
俺は刀を触れていた手を離し、右へ避ける。
そしてすぐに刀を抜き、俺の背後に回った沖田の刀を受け止める。
キンッ――
と、刀と刀が交わる音が響き、ぶつかり合ったところから、火花が散った。
「昨日も思ったんだけどさ、君強いよね。そこら辺にいる浪士たち…ううん、僕たちの隊士たちよりもっ…!」
刀がぶつかり、カチカチと音を上げる。
このままだと、刀が駄目になるな。
俺は一度沖田の方に
強く刀を押し、その反動を使って後ろへ引く。
「ねぇ、君…何者?」
沖田は刀を構え直し、俺にそう尋ねた。
「何者もなにも、俺はただこの京に用事があったから来たものだが?」
まあ、ただ“用事”があったからと言っても、そんなに軽いものでも何でもないがな。
「ただの用事じゃないよね?
というか、只者じゃないよね?普通の人はこんなに強くない」
それはそうだろ。
俺はあんたら人間とは、全く違うんだからさ。
人間ごときと同じにされるなんて、虫酸が走る。