変わりゆく華たち 第一幕 散ル華
「ただ息が、切れて…るだけ。君が、そんな…心配しなくても、大丈夫だから」
「ほう…。お前の立ち姿のどこを見たら大丈夫だと言うんだ」
「……っ」
斎藤に少し目を向けると、目を見開き、息を呑んでいた。
まるで、『そんな筈はない』という言葉を発するかのように。
「うるさい!
僕はまだ殺れる!!この死合に勝つんだ!!」
「そんな成で一体何ができるんだっ!」
俺は腹部を狙うため、中腰になりながら沖田の元へ走った。
そして、そのまま一本取ろうとした。
が、沖田は俺よりも早く音も無く踏み込み、そして俺の頭部めがけて刀を突き出した。
ヒュン―――
「っ!?」
な、何だいきなり…!
速度が上げてきたのか?
そんなことを思ってるさなか、次は喉元に狙いを定めてきた。
俺は素早く後退する。
体制を直す間もなく、また次をついてこようとする沖田。
頭部、喉元といい、腹部まで来るとは、本当に俺を殺す気にでもなったのか?
なら…
俺も、沖田にのってあげないと、な…?