上弦の月


なんかおでこが冷んやりする…。

でも体は熱い。



「大丈夫か?」


声の先には遥歩さんがいた。


「あれ、会社は…?」

「とりあえず今日のは片付けて来たから大丈夫だ。
お粥作ったけど食べれるか?」


そう言って差し出した湯気のたてるお粥。


「…っ……気持ち悪っ…」

目の前にだされた瞬間吐き気が襲う。

私風邪とかあまりひかないのにな…。


「吐きそう?洗面所行く?」

「大丈夫…です」

「そう。病院行くけど立てる?」

「はい…」


病院か…。

何年ぶりかな、連れてってくれる人なんかいなかったな。



ベットから降りてフラフラ歩いてたら私のことをヒョイとお姫様抱っこで持ち上げた。


いつもなら降ろしてと言うところだけど、今日は甘えることにした。

何より遥歩さんの匂いが心地よい。



決して香水とか作り物の匂いではないけれど、落ち着く。



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