Crescent
公園に着いてベンチに座って待っていると思っていたよりも早く琴音ちゃんが来た。
早く見たいから走って来たらしい。
よっぽど見たかったんだな。
隣に来た琴音ちゃんからはいつかと同じように甘い香りがして一瞬クラッとなった。
偶然に触れた指が痺れたようにピリッとなって彼女の方を向くと目が合った。
不意に彼女を抱きしめたくなり伸ばしかけた手を引っ込めた。
あの三日月の夜に公園で泣いていた彼女と知り合った。
彼女の泣いている姿がある人と重なってほっとけなかった。
二度目に同じ公園で再会し三度目に会った時には元気のない様子がほっとけなくてアンジュに来るように誘った。
あの人にしてあげられなかったことを琴音ちゃんに代わりにしているつもりでいた。