Crescent
「先生、楽しみだったみたいですよ」
「そうなんですか?」
迎えに来てくれた女の人は橘さんのご飯を作ったりお掃除をしに来ている人だった。
紅茶の入ったカップが私の前に置かれた。
「最近はコーヒーより紅茶を飲むようになったんだよ。
アンジュでも店長に驚かれちゃったわ」
「そうなんですか……」
変なの。
あの時、澤野さんから忘れてって言われて自分が否定されたように感じた。
ショックだった……こんな想いをするなら、もう会わない!
そう思って澤野さんを避けてたのに……。
澤野さんに会いたい。
私の気持ちの変化は昨日、映画を見た後からで。
澤野さんの事が橘さんの口から出た途端恋しい気持ちが強くなってしまった。