駆逐系男子【更新再開】


「あっ、ごめんね〜三枝さん」


「わっ!」


ドンッと肩が当たる衝撃とともに、身体がよろける。

移動教室の帰りだった私は、持っていた荷物を床に思いっきりぶちまけてしまった。


「ほんとにごめんね〜大丈夫?」

「あ、はい……っ!?」


落ちたノートやプリントを集めていると、手に痛みが走った。

痛っ……!

この女の子、私の手を踏んでることに気付いてないのかな。


「あの、すみません……」


とにかく気付いてもらわないと、そう思い彼女に声をかける。


「……っ!」

ふと、彼女の足が動いた。

まるでタバコの火を足で消す時のような動きは、私の手にさらなる激痛を与えた。


もしかして、わざと……!?

私は空いていた手で彼女の足を押した。

< 226 / 231 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop