ファンレター
「バカじゃないの?今さら地元の友達なんて無視じゃん」
「私達濱田サキの友達なんだよね」
「そうそう。十とはサキのつながりでよく遊んでんの。それに今話題にされてるんだから、余計な人間近付けるわけにはいかないんだよね」
「だいたいさぁ、地元の友達なんて言って、結局追っかけみたいなあんた等と十を会わせるなんて、なんか嫌じゃない?」
「キャハハ、言えてるぅ」
さっそく敵を作ってしまった感じ。
腕組みをして詰め寄る女の子達。
障害がひとつ増えたわよ多美~っ!
「冗談でしょ。こっちこそ本命の友達なの。あんた等みたいな化粧ブスとは格が違うのよ!」
ひゃーっ
言ってしまった!
「行こう、涼!」
女の子達を睨みながら、多美が私を引っ張って店を出た。
「ちょっと待ちなさいよ!」
追い掛けて来る女の子達。
まずいよ、やばいよ!
こんなドキドキは久しぶりだ。
でも、絶対したくないドキドキだ!