ファンレター
何度か盛り上がった後、店は次第に静かになっていった。
「そっか…。尾根さんも少し真面目すぎる所あるから。社長である父親とも、考え方の食い違いがあって、長い間会話さえしてないらしい」
「やっぱり…、会わない方がいいのかな」
「そんなことないと思うよ。この間だって、十すごい喜んでたし。まぁ、いろいろ詳しく聞いちゃったりしたけど…。ごめんね」
少し照れた桂さんが、視線を下に向けた。
「い、いろいろって…、いろいろですか」
なんだか妙な雰囲気。
「やっぱり廊下は冷えるし、部屋戻ろうか」
十との夜を思い出して、私は全然冷えてなかった。
十のやつ、どこまで話したんだろう(汗)