ファンレター



何度か盛り上がった後、店は次第に静かになっていった。



「そっか…。尾根さんも少し真面目すぎる所あるから。社長である父親とも、考え方の食い違いがあって、長い間会話さえしてないらしい」


「やっぱり…、会わない方がいいのかな」


「そんなことないと思うよ。この間だって、十すごい喜んでたし。まぁ、いろいろ詳しく聞いちゃったりしたけど…。ごめんね」



少し照れた桂さんが、視線を下に向けた。



「い、いろいろって…、いろいろですか」



なんだか妙な雰囲気。



「やっぱり廊下は冷えるし、部屋戻ろうか」



十との夜を思い出して、私は全然冷えてなかった。



十のやつ、どこまで話したんだろう(汗)





< 175 / 218 >

この作品をシェア

pagetop