籠の鳥




彼女のふんわりとした手が頬から離れていくのが
何故か淋しく感じた





そんなことを考えている間に彼女は
『おやすみなさい』と微笑んで
身をひるがえしミルクと歩きだしていた





あっというまの出来事で


俺は
呆気にとられ彼女の後ろ姿をただ眺めているだけだった






彼女の言葉を思い出し
自室で見た自分の顔はいたって普通で




特に疲れたようには見えなかった








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