籠の鳥
彼女の視線は
ミルクから俺に移り
『こんばんは』と微笑んできた
「こんばんは、こんな夜中に何してたんですか?」
「眠れなくて
今日は星が綺麗だったのでミルクとお散歩をしていたんです。
そうしたら…
いつのまにかミルクがいなくなっていまして…」
少し恥ずかしそうに俯く
好奇心旺盛なミルクらしい
そう思い思わず顔がゆるむ
そんな俺の顔を見た彼女の顔もほころび
顔を見合わせクスクス笑いだすと
ミルクは不思議そうに2人を交互に見て
首を傾げていた
「もう遅いですし、お部屋までお送りしましょう」
「…いえ、ミルクもいますし
大丈夫です。
それに…」
彼女の白い手がゆっくり俺の頬に触れ
「お疲れのようですし、お気遣いなく」
ニコッと笑い
彼女の手は離れていった