籠の鳥
そんなことを思い出していると…
ミルクを呼ぶ女の声が木々の向こうから聞こえてきた
そして
その声はどんどんこちらに近づいてくる
カサカサという葉の擦れる音とともに
木々の間から声の主が現れた
月に照らされる肌は白く透き通り
白いワンピースに桜色のショールをはおっていた
漆黒の長い髪ががサラサラと風になびき
黒髪からは
すっと通った鼻すじと
長いまつげが縁取るダークブラウンの瞳は
透き通り
綺麗だが
どこか幼さの残る
ふんわりした雰囲気を纏っていた
ミルクの嬉しそうにワンワン鳴く声に我に返り
ミルクを見ると
どこに行ってたの?と言われながら
白いフワフワな毛を彼女に気持ちよさそうに撫でられていた