初めての恋に溺れる人魚~my first love~
「さぁさぁ、遠慮せずに上がって上がって~」
「お前の家じゃないだろ……光廣は?」
「地下の防音室にいる。さっき喉渇いたから、冷蔵庫にあったアイスコーヒー飲んだぞ」
「おー」
何だか、とても月島先輩のご自宅に来慣れた感じの芹沢先輩。
よく遊びに来てるんだろうな、って思う。
それにしても月島先輩のお家。外観からある程度の予想は出来たけど、内装も凄い。
玄関は広いし吹き抜けだし、何だか高そうな絵画は飾ってあるし……
お父さんが音楽関係のお仕事って言っていたけど、本当に凄い有名な方なんだろうなって思う。
そこでハッとすること。
「あの、月島先輩のご両親は―…?」
いらっしゃるなら、一応、挨拶しておかないといけないのかな、と思う。
しまった。手土産も用意するべきだったんじゃ……って今更だけど気付く。