初めての恋に溺れる人魚~my first love~
「しばらく親は留守にしてるから、気ィ使わないで上がって」
「あ……はい……」
しばらく留守って出張とか、かな?そんな私の考えている事を読むように、
「コイツの両親ね、仕事柄世界中を飛び回ってて忙しいんだよ」
と、芹沢先輩が説明してくれる。だけど直ぐに、
「……っていうか、海音ちゃん?だよね?」
芹沢先輩がマジマジと私の顔を覗いて来る。
「そう……ですけど……」
え?何?何か私の顔についてたり?と思って、両手を頬に当てて確かめてしまう。
「いや~磨けば光るとは思ったけど、想像以上に輝いたね~」
「え?」
一瞬、芹沢先輩が何の事を言ってるかわからなかったけど、ちょうどシューズクロークらしき扉に映る自分の姿を見て、
あっ、そうだった―…
と、さっきユリさんの手でイメージチェンジされた事を思い出す。