恋文
こういう所が子供っぽいんだ。
でも、そういう所にアタシは惹かれていく。
まるで磁石のように、アタシは悠哉さんに惹かれていく。
抗えもせず、悠哉さんだけがアタシの頭を埋めてしまう。
そうなる前に、悠哉さんと距離を置かなければならないのにできないのは、アタシの甘え。
悠哉さんの側にいたい、というアタシのワガママで傲慢な甘え。
「ハルちゃん?」
何も言わないアタシが心配になったのか、不安そうにアタシの顔を覗き込んでくる。
顔が近い。
心臓の高鳴りを押さえるように、アタシは小さく深呼吸をする。
「何でもない!今日は何処行こっか?」
あくまで冷静に。
いつも通りの平静を装って、笑顔のまま悠哉さんと他愛もない話しをする。
悠哉さんは気付いていない。
アタシの気持ちに。
だから、今も笑顔を向けてくれる。
アタシが気持ちを伝えたら、悠哉さんはアタシを好きになってくれるかな?
その可能性だってなくはないのに、アタシはそんな奇跡のような可能性を片っ端から切り捨てた。
これ以上、アタシが悠哉さんの優しさに甘えれないように。
悠哉さんに迷惑なんて掛けられない。
アタシが不幸でも、悠哉さんが笑顔で好きな人に告白できるようになれば良い。
それまでにアタシは笑って「おめでとう」を言えるようになれるかな?
無理だろうな~。
自分が不幸になってまで、相手を幸せにしたい、なんて考えたことなかったから、どうすれば良いのか全然分かんないけど、アタシの気持ちはしまって置こう。
この秘密は死ぬまで内緒にしておこう。
誰の目にも触れられなければ、みんな笑顔で終われる。
そんな結末を願って。