ガーデンテラス703号


背の高いホタルにそばに立たれると、目付きの鋭さも相俟って結構威圧感がある。

上目遣いに見上げてビクリと肩を揺らすと、ホタルが急に着ていたパーカーを脱いで私の肩にかけてきた。


「よくこの辺にシホが膝掛けほったらかしてのんだけど、なかった。代わりにかけとけ」

ホタルはそう言うと、私の向かいの席に戻って自分のミルクティーを飲み始めた。

肩にかけられたパーカーは、ホタルの体温が残ってて温かい。

このひと、見かけより全然怖くない……のかな。

初めてホタルに会ったとき、シホが言ってた。

ホタルは目付きは悪いけど悪いやつじゃないよって。

ホタルの淹れてくれたミルクティーを飲みながらそのことを思い出す。

ミルクティーと肩にかけてもらったパーカーみたいに、私の心もじんわりと温かくなった気がした。


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