ガーデンテラス703号
◇
雨に降られた翌日の体調が最悪だった。
「うー、喉痛い……」
朝起きたら、喉が腫れてて声が出ない。
頭痛がするから熱を計ったら、ひさしぶりに38℃を超えていた。
「あゆか、あたし、今から仕事に出て大丈夫?」
部屋で寝ていると、着替えを済ませたシホがドアから顔を出してきた。
「うん。寝とけば大丈夫……」
美容室の受付をしているシホは、今日は遅出出勤。
熱を出した私のために、朝から薬局やスーパーに行って、風邪薬や食べやすいゼリーなんかを買ってきてくれた。
一人暮らしのときは風邪を引いても誰にもそんなの頼めなかったから、ルームシェアってありがたい。
「何かあったらいつでも連絡してね」
シホはそう言うと、部屋のドアをそっと閉めて出て行った。
頭がぼーっとして身体が熱い。
喉の痛みと頭痛で簡単には眠れそうもない。
だけど起き上がる気力もないから、布団の中で小さく身体を丸める。
もうすぐ月末で仕事もたまってるし、そう何日も休めない。
明日には出勤できるように熱を下げないと。
自分に言い聞かせて、少しでも眠れるように目を閉じた。