ガーデンテラス703号


しばらくしてはっと気づいたときには、少しお腹が空いていた。

枕元に置いていたスマホを手探りでつかんで、時間を確かめると昼の2時過ぎだった。


シホが仕事に出かけたのが11時前。

全然寝付けないと思ってたけど、いつの間にか寝ていたらしい。

まだ少し頭と喉が痛いけれど、朝よりもだいぶ身体がすっきりしていた。

熱を計ってみたら、37℃台まで下がっている。


「なんか食べようかな」

身体を起こして、独り言をつぶやく。

冷蔵庫にシホが買ってきてくれたゼリーがあるはずだ。

ベッドから立ち上がると、少しよたつきながらドアノブに手をかける。

ゆっくりとそれを押し開くと、キッチンの方からふわっと優しい匂いが漂ってきた。


部屋から出てキッチンを覗き見る。

そこには、ホタルが立っていた。

調理台で何か切りながら、コンロにかけた小鍋の様子をときどき確かめている。


何してるんだろう。

昼休憩で帰ってきたのかな。

不思議に思いながら、冷蔵庫の前に立つ。




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